第047章:抽選会

幸い立ち退きの際にはかなりの補償金があり、自分の総経理の職も、いつまで続くかは分からないものの、高給な仕事ではあった。

細田登美子が心の中で計算していると、馬場絵里菜が突然販売員に尋ねた。「すみません、新築マンションに何か割引キャンペーンはありませんか?」

販売員は笑顔で頷いた。「キャンペーンはございますが、割引が適用されるかどうかはオーナー様の運次第となります。」

「運?」馬場輝は理解できず、販売員を見て、また母と妹を見た。こんなことが運で決まるのだろうか?

皆が困惑した表情を見て、販売員は笑顔で説明した。「はい、センチュリーマンションで100平米以上の物件をご購入のお客様は、割引抽選に1回参加できます。抽選箱には5色のプラスチックボールが入っています。白は外れ、緑は3等で2%オフ、黄色は2等で5%オフ、青は1等で7%オフ、赤は特等で15%オフとなります!」