「私のことを知っているの?」
高橋桃は驚きの表情を浮かべた。より正確に言えば、光栄すぎて驚いていた。
第二中学校のような名門校で、誰が彼女のことを覚えているというのだろう?
「そうよ、学年トップ10の名前は全部覚えているの。ただ、会ったことのない人もいるから、顔と名前が一致しないだけ」夏目沙耶香は笑いながら言った。「それに、あなたの名前はとても特徴的だから、すぐに覚えられたわ」
「そうなんですか、へへ……」高橋桃は照れ笑いを浮かべたが、心の中では嬉しくて仕方がなかった。
林駆もこの時、淡々と口を開いた。「馬場絵里菜と高橋桃は二人とも成績で第二中学校に入学したんだ。全額奖学金だって聞いているよ」
夏目沙耶香はそれを聞いて目を輝かせ、まるで突然思い出したかのように、二人を嬉しそうに見つめながら言った。「そう考えると、今度の月例テストで新しいクラス分けになったら、私たち同じクラスになれるかもしれないわね」