「えっ?本当だ!」高橋桃も馬場依子の名前を見つけ、思わず感嘆した。「絵里菜、馬場さんって凄いわね。転校してきたばかりなのに学年2位なんて」
馬場絵里菜は微笑むだけで、特に何も言わなかった。
しかし、彼ら以外にも、藤井空は17位、柳澤夢子も1組に入り、最も驚いたことに、月例テストを病欠した鈴木由美が、なんと35位だった。
病院でテストを受けたのだろうか?
鈴木由美が1組に入ったことについて、みんなはちょっと話題にしただけで、特に気にしなかった。
成績が確定した後、馬場絵里菜たちは直接1組の教室へ向かった。
教室のドアを開けると、まばらに数人の生徒が座っているだけだった。大半はまだ来ていないようで、みんなはお互いを見つめ合うだけで、言葉は交わさなかった。
席は既に決められており、各机に二人の生徒の名前が貼られていて、二人が同席であることを示していた。
馬場絵里菜が自分の席を探そうとしたとき、一目で見つけた。最前列の窓側の机の角に自分の名前が貼られていた。
横を見ると、もう一つの名前は馬場依子!
馬場絵里菜は表情を硬くし、高橋桃の方を見た。彼女も机の名前を呆然と見つめて立ち尽くしているのが見えた。馬場絵里菜はすぐに理解した。席は成績順で、高橋桃は高遠晴と同席だ!
教室のドアが再び開き、林駆、高遠晴、藤井空の三人が入ってきた。
「林くん、私たち同席よ!」夏目沙耶香は彼らを見て、すぐに声をかけた。
林駆は微笑んで「そう?成績順なの?」と尋ねた。
夏目沙耶香は頷いて「高遠くんは高橋さんと同席よ」と言い、藤井空を睨みつけて「あなたは後ろ!」と言った。
藤井空はそれを聞いて口を尖らせ、カバンを背負って二列目へ向かった。
高橋桃は席に座って緊張した様子で、机の下で両手をもてあまし、表面は落ち着いているふりをして高遠晴に「ハロー」と挨拶した。
高遠晴は無表情で、賢そうな瞳がレンズの奥に隠れていた。挨拶を聞いて頷くだけで、それが挨拶の返事とした。
「おめでとう。今回はいい成績だったね」林駆は馬場絵里菜の机の前に来て、そう言った。
林駆は珍しく今日は制服を着ていたが、相変わらず爽やかでかっこよかった。馬場絵里菜は微笑んで「運が良かっただけよ」と答えた。