第099章:担任教師の將

馬場絵里菜は冷笑を浮かべただけで、鈴木由美に目もくれずに自分の席に戻った。

鈴木由美は怒りで頭に血が上ったが、今日は既に散々な目に遭い恥をかいたので、これ以上しつこく食い下がれば皆の笑い者になるのは目に見えていた。今は歯を食いしばって我慢するしかなく、怒りを抑えながら自分の席に戻った。

馬場依子も馬場絵里菜の隣の席に座った。先ほどの出来事に相当驚いており、馬場絵里菜がペンを躊躇なく突き刺そうとした様子を思い出すと、彼女の顔を見る勇気も出なかった。

「あの...私たち同じ苗字なんですね、なんだか偶然ですね」馬場依子は声をかけてみた。両手は不安そうに机の下で服の裾をいじっていた。

馬場絵里菜は冷ややかな目で、この整った顔立ちの新しい隣席の生徒を見上げた。彼女が何か言う前に、禿げ頭の中年男性が教材を抱えて教室に入ってきた。

「うわっ、將先生だ!」

誰かが一目で彼を認め、悲鳴のような声を上げた。

菅野將、本名菅野將、6年連続で県の優秀教師賞を受賞。高校1年生の教育主任で、何でもできると言われている。彼が担当したクラスは毎月の試験で常に学年一位を取り、彼の指導の下で名門大学に推薦入学した生徒の写真は学校の栄誉の壁一面に貼られており、第二中学校の看板教師だった。

菅野將が1組に現れたことは、実は皆予感していた。今回のクラス分けは学年で成績上位50人を同じクラスに集めたので、当然最高の教師陣が配置されるはずだった。

菅野將は教壇の前に立った。彼は禿げ頭とはいえ、まだそれほど年を取っておらず、40歳にも満たないだろう。身長は平均的で、少し太めの体型。表情を緩めているときは善良そうに見えるが、ほとんどの場合は厳しい表情をしていた。

彼は眼鏡を押し上げ、クラス全体を軽く見渡し、全員着席しているのを確認してから口を開いた。「皆さん、こんにちは。私は菅野將です。クラス替え後の新しい担任となります。皆さんは今回のクラス分けテストで優秀な成績を収めた生徒たちです。これからも気を緩めることなく、しっかりと勉強を続け、進歩を重ねて、将来は国内の名門大学に進学し、ご家族や学校の誇りとなってほしいと思います。」