しかしビジネスの仲間からこのような場所での遊びに誘われ、美しい女性と一緒に飲むのは基本的な定番だった。馬場長生は生活態度が正しい人物だったが、この時ばかりは周りの雰囲気を壊さないよう、郷に入っては郷に従わざるを得なかった。
皆がそれぞれ気に入った二人のホステスを選び、もともと広々としていた個室は一瞬にして少し手狭になった。
パラダイスのホステスたちは美しいだけでなく、それぞれが多才で、歌もサイコロ遊びも、彼女たちができないことはなく、個室の雰囲気は一気に盛り上がった。
細田社長はこの時、皆で杯を上げ、馬場長生に乾杯することを提案した。ビール腹を突き出して立ち上がり、こう切り出した。「馬場会長、私たちはビジネスの世界でも長年お付き合いしてきましたが、こうしてお誘いするのは初めてです。この数年間、私の建材会社は馬場家という大きな山の庇護の下で成長させていただき、私は馬場家と馬場会長に感謝しております。この杯を捧げさせていただきます。」