しかしビジネスの仲間からこのような場所での遊びに誘われ、美しい女性と一緒に飲むのは基本的な定番だった。馬場長生は生活態度が正しい人物だったが、この時ばかりは周りの雰囲気を壊さないよう、郷に入っては郷に従わざるを得なかった。
皆がそれぞれ気に入った二人のホステスを選び、もともと広々としていた個室は一瞬にして少し手狭になった。
パラダイスのホステスたちは美しいだけでなく、それぞれが多才で、歌もサイコロ遊びも、彼女たちができないことはなく、個室の雰囲気は一気に盛り上がった。
細田社長はこの時、皆で杯を上げ、馬場長生に乾杯することを提案した。ビール腹を突き出して立ち上がり、こう切り出した。「馬場会長、私たちはビジネスの世界でも長年お付き合いしてきましたが、こうしてお誘いするのは初めてです。この数年間、私の建材会社は馬場家という大きな山の庇護の下で成長させていただき、私は馬場家と馬場会長に感謝しております。この杯を捧げさせていただきます。」
そう言うと、細田社長は一気に杯を傾け、グラスを空にした。
他の人々も次々と同調し、馬場長生を知っている者もそうでない者も、今日は馬場家の力を借りたいと思い、急いで酒を飲み干した。
馬場長生はこれを見て謙虚に手を振りながら言った。「細田社長、お言葉が過ぎます。お互いに助け合っているだけです。それに細田社長の建材の品質が良く、誠実な人柄だからこそ、我が馬場家は御社の建材を使わせていただいているのではありませんか?これは双方にとって良いことで、私が庇護しているわけではありません。皆で一緒に稼ぎましょう。私も飲み干します!」
馬場長生も一気に杯を空にし、細田社長の面子を十分に立てた。
周りの人々は拍手喝采し、馬場会長の気前の良さを称賛した。
細田社長はすでに少し酔っており、馬場長生がこのように面子を立ててくれたことで、心が興奮を抑えきれなくなった。突然手を振り、隣のホステスに向かって叫んだ。「今日は俺は上機嫌だ。グランドスラムを開けろ!」
そのホステスは一瞬驚いたが、すぐに反応し、喜びと驚きを隠せない様子で急いで立ち上がって答えた。「かしこまりました、細田社長。すぐに手配いたします!」