第113章：体内の肝臓に腫瘍が

「あなたの家が経営しているの？」夏目沙耶香は驚いて尋ねた。

馬場依子は転校生だったが、彼女の身分はすでに鈴木由美によって周知の事実となっていた。だからこそ、皆は少し意外に思った。馬場グループは不動産業ではなかったのか？

馬場依子は皆の驚いた表情を見て、内心少し得意げになったが、表面上は無邪気に目を瞬かせながら頷いた。「そうよ。うちは主に不動産業をしているけど、他の業界にも少し手を出しているの。軽井沢温泉は確かにうちの施設よ」

馬場依子がそう言うのを聞いて、皆は納得した。今回は林駆の誕生日で、軽井沢温泉に行くのも林駆が手配したものだった。

突然馬場依子が現れたので、彼女を一緒に連れて行くかどうかは林駆の意向次第だった。

しかし林駆が口を開く前に、馬場依子が先に言い出した。「私が皆さんに最高の温泉別荘を予約できるわ。それに、とても面白いアクティビティもあるから、全部私が手配するわ。皆さん無料で楽しめるわよ」

「それはできない」林駆は眉をひそめた。今回は自分の誕生日で皆を招待したのに、馬場依子に支払わせるのは気が引けた。「無料なら、行かないことにする」

馬場依子は林駆のプライドを傷つけてしまったことに気づき、すぐに言い直した。「ごめんなさい。悪気はなかったの。ただ帰国したばかりで友達を作りたくて。さっきの言葉で不快な思いをさせてしまったなら、謝ります」

馬場依子がそんなに気を遣うのを見て、傍らの藤井空は肩をすくめて無頓着に言った。「新しい同級生が誘ってくれたんだから、みんなで行けばいいじゃないか。割引してもらえればそれでいい」

夏目沙耶香は肩をすくめて「私はどっちでもいいわ。馬場絵里菜と高橋桃が行くなら」

馬場絵里菜はそれを聞いて頷いた。「じゃあ、土曜の午後に用事が済んだら合流するわ」

他の人たちが反対しないのを見て、林駆は馬場依子に「じゃあ、いい別荘を予約してもらえますか」と言った。

馬場依子は笑顔で頷いた。「任せてください」

……

翌朝早く、病院から電話があり、二人の検査結果が出たと言われたが、具体的な状況は説明されず、細田登美子に病院に来るように言われただけだった。

馬場絵里菜は直感的に胸が'ドキッ'として、不吉な予感が湧き上がってきた。