煙がますます濃くなってきているのが目に見えて分かり、早く避難しなければ、全員が煙に巻かれて死んでしまうところだった。
「みんな、私について来て!馬場依子の部屋へ行くわ!」
そのとき、馬場絵里菜の声が突然響き渡り、言い終わるや否や、廊下の一番奥にある馬場依子の部屋へと真っ先に走り出した。
他の人々はすでに主となる人を失っており、今や誰かが突然立ち上がって指示を出したため、その人が馬場絵里菜かどうかなど気にもせず、皆彼女の後を追って馬場依子の部屋へと走っていった。
幸いなことに、馬場依子は先ほど出てきた時にたまたまドアを閉めており、場所も廊下の一番奥だったため、この時点で部屋の中の煙はそれほど濃くなかった。
全員が一斉に部屋に駆け込み、馬場絵里菜は最後に入ってきた藤井空に向かって言った。「ドアを閉めて!」