第208章:偽善の仮面

この年頃の子供は、どんなに腹黒くても、結局は子供で、遊びに行くのが好きなものだ。

馬場依子は旅行に行くと聞いて、瞬く間に笑顔になった。

「海外に行きたい、オーストラリアでもヨーロッパでもいい!」と馬場依子は笑顔で言った。

「いいわ」と橋本好美は微笑んで、馬場長生に向かって言った。「あなた、時間があれば、一緒に行きましょう?」

馬場長生が断ろうとした時、馬場依子が寄り添ってきて、甘えた声で言った。「パパ、一緒に行こうよ!私たち、ずっと一緒に遊びに行ってないでしょう。弟も知ったら喜ぶと思う!」

娘の顔を見ながら、妻と一緒に過ごす時間も久しぶりだと思い、ちょうど会社も忙しくない時期で、二人の子供も休みだ。この機会を逃したら、次はいつ一緒に出かけられるかわからない。

心が和らいで、馬場長生は頷いた。「わかった、パパも一緒に行くよ。家族みんなで出かけよう。」