馬場宝人が「紳士は人の好きなものを奪わない」と「断腸の思いで手放す」という複雑な表情を見て、馬場絵里菜は思わず笑みを浮かべ、自分の皿を指さして言った。「私はもう一つあるから、一人一つずつにしましょう!」
ドリアンパフ一つのことで、子供と争うことはないと思った。自分もまだ14歳だけど。
馬場宝人は馬場絵里菜をしばらく見つめ、最後にもう一度そのドリアンパフを見て、唇を引き締めながら、ためらいがちに口を開いた。「じゃあ...一人一つ?」
馬場絵里菜は確信に満ちた様子で頷いた。「一人一つよ。」
馬場宝人のツンデレな顔に、ようやく子供らしい笑顔が浮かび、急いでそのドリアンパフを自分の皿に取り、すぐに走り去った。
馬場絵里菜は少年の背中を見て、笑いながら首を振った。
……
「あれ、朝からドリアン...」