サイコロの賭け場は円形のテーブルで、テーブルは二分され、一方には「大」、もう一方には「小」が書かれ、中央には小さな円があり、そこには「ぞろ目」と書かれていた。
賭け場のディーラーは一人で、最も中心の位置に立ち、他のプレイヤーは円卓の外の椅子に座り、観客はプレイヤーの周りに立って見ていた。
サイコロは技術的な要素のない賭け事なので、見物人はそれほど多くなかった。
馬場絵里菜は適当な隙間を見つけて立ち止まった。その時、ディーラーはサイコロを振っており、数秒後にサイコロカップを置き、無表情で皆に向かって「ベットをどうぞ」と言った。
馬場絵里菜はそのサイコロカップを見つめ、目を細めながら、カップの壁を通してサイコロを見た。
2、3、6で11の大!
ロイヤルカジノのサイコロの最低掛け金は50万で、そのため皆が50万のチップを自分の賭けた場所に投げ入れた。
ベットが終わると、ディーラーは直ちにカップを開けて配当を行った。
馬場絵里菜が見た通り、2、3、6で11の大!
当たった人々は思わず笑みを浮かべた。50万で100万が勝てる。賭けが多ければ多いほど、勝ちも大きくなる。
負けた人々もそれほど落ち込んでいなかった。ここに来る人々は、数百万程度は気にしない人ばかりだった。
賭け事は単純で分かりやすく、馬場絵里菜は一回見ただけで理解した。そこで軽く眉を上げ、これで少しウォーミングアップをして、賭博の感覚に慣れることにした。
ちょうど隣のプレイヤーが席を立ったので、馬場絵里菜は迷わずその席に座った。
周りの人々は若い女の子を見て驚いた。馬場絵里菜は今日小さなスーツを着ていたが、まだ幼さの残る顔つきで、一目で未成年とわかった。
人々は彼女を二度見したが、それほど驚いた様子は見せなかった。結局、マカオのギャンブル産業は発達し合法なので、金持ちが子供を連れてくることは珍しくなかった。
ただ、子供が賭け台に座るのは珍しかった。
賭け事が始まり、ディーラーがサイコロカップを振り、数秒後にカップを置いて「ベットをどうぞ」と再び声をかけた。
運任せの賭け事なので、プレイヤーたちも迷わず、大小それぞれに賭け、掛け金も50万から500万の間でばらつきがあった。