第249話:人は見かけによらない

224!

ペアの中で223以外で最小の役。

全員が驚きの表情を浮かべ、その役を何度も見つめ、しばらくして我に返った。

「2のペアでも500万を追加するなんて?」

「見た目で人を判断できないものだね。この女の子を侮っていたよ」

「ふふ、面白い。まさか全員が若い娘にだまされるとはね……」

そうだ。誰も想像できなかった。馬場絵里菜という十代に見える少女が、いきなりこのカジノのベテランたちと心理戦を繰り広げるなんて。そして笑うべきことに、全員が彼女にだまされてしまったのだ。

たった一回で、皆は目の前のこの少女を侮れないことを悟った。その幼い顔と未熟に見える年齢は、彼女の有利な偽装の武器であり、むしろ在席の誰よりも天与の優位性を持っていた。

その貴婦人は喉に血を詰まらせそうになった。数百万のチップを惜しんでいるわけではなく、この時になって、カジノで最も犯してはいけない二つの過ちを犯したことに気付いたからだ。

一つは外見で人を判断すること。

二つ目は思い上がること。

3000万以上を簡単に手に入れ、一回の死闘でサイコロのゾロ目を当てるより多く勝った。

馬場絵里菜は艶やかに微笑み、顔には余計な表情は見られなかった。

他の人々は様々な表情を浮かべていた。井上裕人は落ち着いた表情の馬場絵里菜を見つめ、目に興味の色を濃くし、唇の端が思わず少し上がった。

しかし白川昼だけが知っていた。たとえあの貴婦人が降りなくても、最後に勝つのは門主だということを。なぜなら門主は指を少し動かすだけで、手の中の224を234に変えることができたからだ。だからどうあっても、結果は同じだったのだ。

白川昼から見れば、貴婦人の損切りの行動は、これ以上ない賢明な判断だった!

賭け台が再び動き出し、皆が手の中のカードを取った。馬場絵里菜は相変わらず最初の時点で全員のカードを見通していた。

誰も知らなかったが、この賭け場で、全員が馬場絵里菜に対してオープンカードで戦っていたのだ。

ただしこの一回は、馬場絵里菜が他の人のカードを見た時、表情には何の変化もなかったものの、心の中では、この回が面白くなることを理解していた。

「降ります!」

「降ります!」

「降ります!」