馬場絵里菜の決定である以上、白川昼は当然なぜかと尋ねることもなく、反対することもなかった。
ただし、芸能事務所は他の業界とは違い、映像投資と絶え間ないタレント発掘が必要で、市場動向に対する鋭い洞察力と先見性がなければ、長く存続することはできない。
これは決して容易なことではない。
馬場絵里菜は当然、白川昼の心配を理解していた。前世であれば、彼女も芸能界に足を踏み入れることなど決してしなかっただろう。しかし今は違う。彼女は転生して戻ってきたのだから、芸能界の未来の動向を熟知している。白川昼が懸念するリスクは、馬場絵里菜にとっては絵に描いた餅のようなもので、決して起こり得ないのだ。
「法人代表は誰にする?」白川昼は深く考え込むことなく、直接馬場絵里菜に尋ねた。
馬場絵里菜は少し考えてから、「お兄ちゃんにしよう!」と答えた。