第275章：クース国の次男王子

「社長は気になりますか？」白川昼は彼女にコップ一杯の水を注ぎながら、直接尋ねた。

明らかに、馬場絵里菜はすぐに帰らなかった。白川昼は彼女が強化ガラスのことについて聞きたがっているのを知っていた。

馬場絵里菜も隠さず、眉を上げて頷いた。彼女は確かに白川昼のコネクションが何なのか気になっていた。

白川昼は直接言った：「ずっと言う機会がなかったんだけど、実は私は日本人じゃないんです。クース国のイェール37世王の次男で、クース国の第二王子なんです！」

「ぷっ……」

馬場絵里菜は不意を突かれ、口に含んでいた水を吹き出してしまった。

「ゴホッ、ゴホッ……」激しく二回咳き込んだ後、馬場絵里菜は息を整え、驚愕の表情で顔を上げて白川昼に尋ねた：「あなたは何だって？」

白川昼：「……」

「私はクース国のイェール37世王の次男で、クース国の第二王子です！」白川昼は一字一句はっきりと、自分の本当の身分をもう一度繰り返した。

そして馬場絵里菜を見ると、転生という大きな経験をしてきた人でさえ、この時は口を半開きにしたまま、雷に打たれたような様子で、しばらく我に返れなかった。

無理もない。これは馬場絵里菜にとってあまりにも意外なことだった。

結局、彼女はずっと白川昼を日本人だと思っていた。彼は確かにアジア人の顔立ちをしており、自分で遺伝だと言っていた銀白色の髪以外は、外国人の特徴が全くなかったからだ。

日本語も流暢で、東京の方言まで話せる。

こんな人が、まさかクース国の王子だったなんて、誰が想像できただろう。あまりにもファンタジーすぎる！

馬場絵里菜が何を考えているかを察したように、白川昼は軽く咳払いをして、ゆっくりと説明を始めた：「父上には全部で5人の妻がいて、私の母は日本人です。私はイェール家の髪色を受け継ぎましたが、顔立ちは母親譲りで、だから見た目は完全な日本人なんです。」

馬場絵里菜は驚いた。この銀白色の髪は本当に遺伝だったのか？

あ、違う！今の重点は髪の毛じゃない。

「本当にクース国の王子なの？」馬場絵里菜は瞬きをして、心の中に不満が湧き上がった：「どうして早く教えてくれなかったの！」

白川昼はすぐに首をすくめ、おずおずとした口調で言った：「忘れてました。」

馬場絵里菜：「……」