サングラスを外すと、井上裕人の深くて情熱的な瞳が現れた。逆光の中、彼が無表情で周りを何気なく見渡すと、女子学生たちは一瞬めまいを感じた。
ある熱狂的な女子学生は驚きの声を上げた後、目を白黒させて気を失ってしまった。
レストランの窓際にいた学生たちも、運動場の騒ぎに気付き、次々と窓から外を覗き込んだ。
「すごい!かっこいい!」
「見せて、見せて!」
「やばい、超イケメン。学校のイケメン代表たちよりもずっとかっこいい」
「お母さんに電話して、恋をしたって言わなきゃ!」
「なんでサンダル履いてもこんなにかっこいいの?」
「見てるだけで妊娠しそう!」
学校ほど熱狂的なファンが多い場所はない。これらの女子学生たちはイケメンを見かけると、食事も忘れてしまい、まるで彼を見るだけでお腹いっぱいになれるかのようだった。
馬場絵里菜たちは窓際の席に座っていて、騒ぎを追って自然と井上裕人を一番に目にした。
一目見ただけで、馬場絵里菜は心臓が「ドキッ」となった。他の人は彼を知らないかもしれないが、自分は知っているのだ!
なぜか直感的に、馬場絵里菜は井上裕人が突然第二中学校に現れたのは、自分を探しに来たのだと感じた!
「きゃー!こっちに来る!レストランの方に来てる!」
馬場絵里菜:「……」
悲鳴に驚いて、馬場絵里菜は急いで我に返った。
逃げ出したかったが、レストランには出入り口が一つしかなく、出て行けば確実に鉢合わせてしまう。
馬場絵里菜は認めざるを得なかった。この瞬間、少し怖気づいていた。なぜなら、学校でこれ以上スキャンダルに巻き込まれたくなかったからだ。周りの女子学生たちの井上裕人への反応を見れば想像できる。自分が彼と何か関係があるとなれば、その結果がどれほど深刻なものになるか!
しかし、もう考える時間はなかった。たった40~50メートルの距離で、井上裕人がサンダル履きだとしても、その長い脚のおかげで、馬場絵里菜が一瞬ぼんやりしている間に、レストランの大きな扉が外から開かれた。
騒がしい環境が一時停止ボタンを押されたかのように、全員が蝋人形のようにその場に立ち尽くし、一斉に井上裕人を見つめた。
女子学生たちが見つめるのは、彼があまりにもかっこよすぎるから!