第329章:家を1軒要求する

豊田剛は馬場絵里菜がどんな条件を出すのかと思っていたが、まさか港区の内装済みの家を一軒欲しいだけとは思わなかった。

両社の協力が実現すれば、豊田剛のセンチュリーグループにとっては数億円規模のプロジェクトとなる。たかが数百万円の家一軒なら、惜しむことはない。

馬場絵里菜が家を第一中学校の近くに欲しいと言ったが、センチュリーグループは東京に数多くの物件を持っているので、豊田剛にとって難しい要求ではなかった。

田中鈴もすぐに適切な物件を思いついて、豊田剛に言った。「あなた、エメラルドガーデンは第一中学校のすぐ近くでしょう?120平米の高級内装の部屋がまだ何部屋か残ってるわ!」

豊田剛も田中鈴と同じ考えだった。馬場絵里菜の条件である第一中学校の近く、約100平米、内装済みという条件に、エメラルドガーデン団地は最適だった。