第365章:まずは学びから

兄がこのように抵抗する様子を見て、馬場絵里菜は思わず笑みを浮かべ、彼を安心させるように言った。「そんなに緊張しなくていいわ。あなたが考えているほど大変なことじゃないから」

二人は白川昼のオフィスに向かいながら、馬場絵里菜は説明を続けた。「会社であなた専用のアシスタントチームを作ったの。関連知識の習得をサポートしてくれるわ。分からないことがあったら彼らに聞けばいいし、最悪の場合は私がいるでしょう!」

馬場絵里菜がそう言っても、馬場輝の心は落ち着かなかった。まだ19歳にもなっていない彼は、成人してはいるものの、こんな大きな場面を経験したことがなかった。

いきなり会社の社長になれというのか?

「絵里菜、兄さんが反対しているわけじゃないんだ。ただ、この立場に一気に適応するのは本当に無理だよ。君がいきなり私をそんな高い地位に押し上げるなんて、戸惑ってしまうよ!」馬場輝は正直な気持ちを打ち明けた。