第383章:話し合いの余地なし

馬場絵里菜のところで一杯食わされ、細田繁は一時的に諦めるしかなかった。

帰り道、車の中で鈴木夕は黙っていた。細田繁は彼女が怒っていると思い、思わず口を開いた。「嫁さん、焦らないで。今日は姉さんが家にいなかっただけだよ。母さんが言ってたけど、明日直接姉さんに会いに行くって。」

「姉さんが私たちに庭を返してくれると思う?」鈴木夕は細田繁を見つめながら尋ねた。

細田繁はすぐに頷いた。「母さんがいれば、返さないなんてできないよ!」

「もし本当に返してくれなかったら、私たちどうする?」鈴木夕は言った。「仮の話よ。」

細田繁は一瞬言葉に詰まった。姉が頑なに返さないと言えば、本当に手の打ちようがない。今日は二人の子供たちに言い負かされて、理屈も言えなかったのだ。

その様子を見て、鈴木夕は思わず言った。「じゃあ、姉さんに一つだけでも返してもらうのはどう?」