第389章:孫を待ち望む細田家の老夫婦

鈴木夕は今日わざわざ休みを取り、朝食を済ませてからすぐにタクシーで足立区へ向かった。

細田家に行く途中で細田登美子の家を通るため、鈴木夕はわざと一目見てみた。木製の大きな門には鍵がかかっており、玄関もしっかりと閉まっていて、明らかに誰もいない様子だった。

細田登美子は朝早くから姿を消し、馬場絵里菜は学校へ、馬場輝も自動車教習所へ早々に行ってしまい、この時家には確かに誰一人いなかった。

鈴木夕は顔色が良くなく、心の中で今日もまた無駄足になるのではないかと思った。

細田お婆さんは細田登美子の家に誰もいないことを知り、驚いて言った。「あの子は夜勤で深夜に帰ってくるし、朝食店も最近は休業してるのに、朝早くからどこへ行ったのかしら?」

「お母さん、もしかして私たちを避けているんじゃないですか?」と鈴木夕は考え込んだ。