第405章:対抗

馬場絵里菜は席に座って目の前の光景を見つめ、馬場長生の心中を察したようだった。

彼は最初このクラブを手に入れたかったのかもしれないが、今や目的は変わり、明らかに彼女にこのクラブを手に入れさせたくないという意図が見え透いていた。

この時、馬場長生の入札額は既に2000万円に達していた。

馬場絵里菜の指示がない限り、白川昼は自主的に競りを続けようとしたが、馬場絵里菜に軽く制止された。

馬場絵里菜は彼に向かって首を振った。「もういいわ」

2000万円は、このクラブの実際の価値を超えていた。彼女は敵を作るつもりもなく、馬場家と対立するつもりもなかった。これ以上競り上げても、落札しても損をする取引になるだけだった。

彼女はビジネスウーマンだ。損をする取引はできない。

馬場絵里菜が降りたことで、クラブは馬場家によって2000万円の高値で落札された。