第404章：針と麦の対決

馬場絵里菜は席に座って眠くなりかけていたが、この時も思わず背筋を伸ばした。

彼女の傘下にはすでに水雲亭があり、今この俱楽部を落札できれば、レジャー産業もある程度の規模になるだろう。

たとえこの俱楽部が港区ではなく世田谷区にあり、水雲亭ほど高級ではないとしても、むしろそれゆえに落札すべきだと考えた。

水雲亭はすでに東京のほぼすべての億万長者を集めており、彼女はむしろそれほど最高級ではない俱楽部を必要としていた。

まさにパラダイスのような！

白川昼は馬場絵里菜の反応を見て、傍らで小声で言った：「興味ある？」

馬場絵里菜は頷き、即座に口を開いた：「これを取る！」

わずか2分の間に、入札価格は倍になって800万円に達し、入札者は他でもない、馬場長生だった。

馬場長生の東京ビジネス界での知名度は言うまでもなく、今彼が入札するのを見て、状況を察する人々はすでに諦めを選択していた。一つは馬場家の怒りを買いたくないため、二つ目はこのような状況で、もし馬場家が執着するなら、対抗できる実力を持つ企業は少ないからだ。

「800万円、1回目！」

「800万円、2回目！」

馬場長生は最前列に座り、表情は冷淡だったが、心の中ではすでに勝利を確信していた。

しかし、落札が決まる直前、突然一つの声が静かに響いた：「1000万円！」

人々はその声を聞いて、ほぼ同時に振り返った。最後列で、白川昼が番号札を持って座っており、表情は微笑んでいるようでもあり、そうでもないようだった。

「誰だろう？」

「知らないな、見たことない！」

「馬場家に挑むなんて？馬場長生の怒りを買うのが怖くないのか！」

「シーッ、声を低く！」

私語が急に広がり、多くの人は白川昼を知らず、当然心の中で不思議に思っていた。

しかし、土地の競売会で白川昼を見たことがある人も多く、彼の容姿は一度見たら忘れられないものだった。

「あれは東海不動産の人じゃないか？」

「そうだ、前回馬場家から最高の土地を2区画奪ったやつだ！」

「馬場家と対立するつもりか、まだ奪うつもりか？」

馬場長生ももちろん白川昼を見ており、そして彼の隣の人混みに埋もれた小柄な影も。

目に暗い影が差し、馬場長生は平然と前を向いた。