第407章:時間を約束して面談

「ローズエンターテインメント?」夏目沙耶香は頭の中で考えを巡らせたが、この会社の名前を聞くのは初めてだった。

心の中で不思議に思った:「どうして私のことを知っているのだろう?」

今の作品は彼女の初めてのドラマで、つまり彼女はまだ世間の目に触れていないはずだ。そうなると、撮影現場のスタッフ以外の会社は彼女のことを知るはずがないのだが。

特に先ほど豊田拓海が言っていたように、これは新しい会社なのだ。

「先方によると、誰かの紹介があったそうで、あなたが彼らの第一候補だと。新人としては非常に良い条件を提示してくれています」と豊田拓海は言った。

彼がこれまで躊躇していたのは、沙耶香に最適な事務所を見つけるためだった。

新人として最初から大手事務所と契約することは、沙耶香にとって必ずしも良いことではない。激しい競争環境の中で、新人の選択肢は非常に限られてしまうからだ。