第408章:慈父のイメージ崩壊

一方、伊藤春の家。

細田梓時と細田萌は朝食を食べていた。二人は進藤隼人と同じ学校で、第一中学に通っていた。

伊藤春は世田谷区に住んでいたが、現在はローズエンターテインメントの財務部長を務めており、勤務地は港区にあるため、毎朝二人の子供を学校に送ってから会社に向かっていた。

細田梓時が伊藤春のところに来てから、もう半月近くが経っていた。そしてこれだけの日数が経過したにもかかわらず、細田仲男からは一度も電話がなかった。

伊藤春は心の中で怒りを感じながらも、細田仲男に連絡を取ることはなかった。

以前は息子をあれほど溺愛していたのに、今や息子が家を離れて半月も経つのに、まったく気づいていないなんて。

考えるまでもなく、細田仲男はこの期間、おそらく家にも帰っていないのだろう。