第402章:姉の誕生日がもうすぐ

お婆さんは間違った言葉を言って心の中で不安になりましたが、口では強気な態度を崩しませんでした。「私の言うことをここに置いておくわ。お姉さんに考えさせなさい。自分の母親の言うことを聞かないなんて、信じられないわ...」

そう言うと、お婆さんは細田芝子とこれ以上言い争うのを避け、身を翻して立ち去りました。

細田芝子は中庭に立ったまま、怒りで胸が燃えるようでした。この話は自分に向けて言われただけなのに、もしお姉さんの耳に入ったら、どれほど心が痛むことでしょう?

しかし、そうであればあるほど、芝子は細田登美子のことが心配でなりませんでした。

そのとき、進藤峰が家から出てきて、芝子の肩を叩きました。「もういいよ、怒るのはやめなさい。お姉さんは新居に住んでいるんだから、焦っても見つからないよ。」

「私はお姉さんには一言も言わないわ!」芝子は深く息を吸いました。「この件では私たちはお姉さんの味方よ。二人の娘が繁のような役立たずの息子に負けるわけないわ。」

芝子の言葉に進藤峰は笑みを浮かべました。「どうして自分とお姉さんを繁と比べるんだい?全く違う人種だよ。」

「ふん...」芝子は軽く鼻を鳴らしました。「お婆さんの目には、男の子なら何でも宝物なのよ!鈴木夕は今妊娠してるでしょ。女の子なら良いけど、もし男の子が生まれたら、お婆さんは有頂天になるわよ!」

進藤峰は「もうそんなことは考えないで、荷物は全部片付いたから、早く行こう。向こうに着いたらまた整理しなきゃならないんだから」と言いました。

芝子は頷き、夫にそう慰められて気分も少し良くなりましたが、忘れずに進藤峰に注意しました。「今日お母さんが言った非道な言葉は、絶対にお姉さんには言わないでよ。また怒らせたくないから。」

進藤峰は笑って「分かってるよ、安心して」と答えました。

新居には何でも揃っていたので、芝子一家は日用品と隼人の本だけを持って行き、残りは新しいものに買い替えることにしました。

引っ越しは大きな出来事なので、古い家の物はまだ使えるとはいえ、新居には新しい雰囲気を、新しいものを買って気分も新たにしようと考えたのです。

荷物を全て車に積み込み、芝子が部屋と門を全て施錠してから、家族で進藤峰の三輪車に乗って港区へ向かいました。

道中、進藤峰が運転し、芝子と隼人は後ろに座っていました。