しかし、白川昼の意図は馬場絵里菜にとって推測しやすかった。以前、彼女は彼に、今はまだタイミングが熟していないこと、自分もまだ捨仙門主としての新しい身分に慣れている最中であるため、しばらくは他の捨仙門の人々には知らせないでほしいと伝えていた。
白川昼はいつも彼女の言葉に従順で、彼女の意思に背きたくなかったが、同時に誰かに彼女を守ってほしいと思い、そこで月島涼に彼女のクラスメートを装って守らせるという考えを思いついたのだ。
結局のところ、白川昼は独断専行をしてしまった。この件は馬場絵里菜に隠していたのだから。
ただ、馬場絵里菜は白川昼の気持ちを理解していたので、彼を責める気持ちはなかった。それに、この頃続いていたトラブルも、すべて月島涼が解決してくれていた。
ため息をつきながら、馬場絵里菜は月島涼の変わらない氷山のような表情を見て、彼も大変だったのだろうと思った。