第430章:武道館で学ぶ

井上雪絵は落ち込んだ表情で言った。「連絡先を聞くのを忘れちゃった!」

ああああああ、本当にドジだわ、どうしてこんな大事なことを忘れるなんて!

菅野波は不思議そうな顔で若奥様を見つめ、そして眉をひそめながら心の中で呟いた。あなたは井上財閥のお嬢様なのに、どうして他の男性に連絡先を聞くなんて。

しかし、井上雪絵の性格はそういうものだった。彼女は身分の差も年齢の差も気にしない。好きなら追いかければいい、そうでなければカッコ悪い。女性から男性を追いかけることは恥ずかしいことじゃないのだから。

お兄さんのような格好良くて優秀な人は、油断すると他の人に先を越されてしまうかもしれない。

それに、さっき調書を取る時に気付いたけど、このお兄さんはまだ18歳で、彼女より4歳年上なだけだった。