叔父なら我慢できても、叔母は我慢できない!
井上雪絵が振り返ると、背後にいた尖った顔の男が下品な笑みを浮かべているのに出くわした。
ほとんど考えることもなく、雪絵は手を上げて、その男の顔に平手打ちを食らわせた。
下品な男は、この女の子が自分に気があると思っていたのに、まさか平手打ちをされるとは思わず、表情が一瞬凍りついた。
ダンスフロアは既に混雑していたが、雪絵のこの行動に周りの人々は慌てて後ずさりし、巻き込まれないようにした。
結局のところ、雪絵はただの女子学生で、平手打ちは軽い仕打ちだったが、自分の安全が何より大事だった。
身を翻してダンスフロアから離れようとした。
しかし、その下品な男が我に返り、突然雪絵の手首を掴んだ。
「きゃっ!」雪絵は悲鳴を上げた。「この変態!離してよ!」