港区五丁目交番。
留置室で、六人の大柄な男たちが頭を下げて一列に並んでいた。
事件から一時間以上が経ち、数人の酔いもほぼ醒めていた。
「お前たち全員で二百歳にもなって、子供たちに手を出すとは、自分の子供はいないのか?」
私服警官の一人である痩せた背の低い男が、怒りの表情で数人を睨みつけながら叱責した。「あんなに手荒く、子供たち全員が血を流すほどに!」
数人の大柄な男たちは頭を下げたまま、警察に対して口答えする勇気もなく、ただ心の中では全く反省の色を見せなかった。
「拘留と賠償を覚悟しておけ!」
その警官は一時間も叱り続けて、もう口を酸っぱくして言うのも面倒になり、最後の一言を言い終えると椅子に座って温かいお茶を飲み始めた。
しばらくすると、もう一人の体格のいい私服警官が不機嫌そうな顔で扉を開けて入ってきた。
「副隊長、どうなりました?」その背の低い警官は急いで立ち上がって前に進み出て尋ねた。
「釈放しろ!」副隊長は怒りを隠せない目つきで歯を食いしばって言った。
背の低い警官はその言葉を聞いて一瞬固まり、聞き間違えたと思ったようだ。「え?釈...釈放ですか?」
「彼らは子供たちを殴ったんですよ。その子供たちは今も病院にいるんです!」
「分かってる!」副隊長は諦めたような口調で、六人の男たちを不快そうに見やりながら言った。「こいつらは鈴木正雄の手下だ。署長に要請があった。我々には止められない!」
「くそっ!」背の低い警官は思わず罵声を上げた。
一方、壁際に立っていた六人の男たちは、その言葉を聞いて得意げな笑みを浮かべた。
副隊長は同僚の肩を叩いた。「釈放しろ!」
「でも、被害者側にはどう説明すれば...」背の低い警官は納得がいかない様子で尋ねた。
副隊長は「署長が対応する」と答えた。
……
午前二時、六人の大柄な男たちは談笑しながら警察署の正門を出た。
「へへへ、言っただろう。兄貝が俺たちを見捨てるわけないって」井上雪絵に手を出した卑猥な男が笑いながら言った。
一緒にいた背の高い男は、にやけた顔で言った。「おい菅野、大丈夫かよ?女の子に股間を蹴られて、これから立たなくなったりしないか?」
「はははは...」
他の者たちはそれを聞いて、一斉に笑い出した。
この時間帯、道路にはほとんど車も人通りもなかった。