第480章:強引なキス

「どうしたいの?」

馬場絵里菜は心に残された忍耐で井上裕人を見つめた。その眼差しは依然として空の月のように澄んでいた。

「あなたにもわかっているはずよ。バーの入り口に掲げられている未成年立入禁止の看板なんて、ただの飾りでしょう!私のバーに入れなくても、彼らは他のバーに行くわ!あなたが妹さんのことを心配しているのはわかるけど、でも事は既に起きてしまった。誰もこんなことが起きるなんて思っていなかったでしょう?今こうして頑固になることに意味があるの?自分自身にも問うべきじゃない?なぜ妹をバーで遊ばせたの?そんなに大切な妹なら、なぜちゃんと見ていなかったの?あなたには責任がないとでも?」

馬場絵里菜は井上裕人を怒らせるつもりはなかった。ただ心の中で本当に理不尽だと感じていた。