第521章:誰の家のバカ娘だ?

その若い女性も細田という姓で、最近経理部に採用されたばかりの会計専攻の新入社員だった。

細田芝子が答える前に、彼女と仲の良い中年の女性社員が先に口を開いた。「細田さん、このことを知らなかったの?」

細田は首を振って言った。「知るはずないですよ。社長とは今日が初対面ですし、以前から皆さんが会社の社長は若い女性だと言っていましたが、こんなに若いとは思いませんでした。私より8、9歳も若く見えますよ!」

細田芝子が社長の叔母であることは、会社の社員のほとんどが知っていたが、誰も陰口を叩くことはなかった。

主な理由は、細田芝子の性格が良く、自分の姪が会社の社長だからといって威張ることもなく、むしろ誰に対しても特に親切だったからだ。

また、確かに細田芝子は馬場絵里菜のコネで入社したものの、絵里菜は彼女に高い地位を与えず、彼女の能力の範囲内で出納係の仕事を任せただけだった。