第543章:宗門暗器

「暗器?」

中川彰はこの二文字を聞いて、一瞬表情が固まり、我に返って首を振って笑った。「お前ときたら、いつも変なことを考えているな」

馬場絵里菜はニヤッと笑い、中川彰を見つめながら尋ねた。「師匠、武器は確かに強力ですけど、今は文明社会じゃないですか。刀や剣を持ち歩くわけにもいきませんよね?」

実は馬場絵里菜は一週間前から、自分が何を学びたいのか考えていた。

他の人たちはそれぞれ異なる武器を学んでいて、刀、槍、棒など様々だったが、馬場絵里菜の興味を引くものはなかった。

しかも、彼女は捨仙門心法を身に付けているため、武器を学ぶ必要性はそれほど高くなかった。そこで色々考えた結果、暗器が最も便利で実用的だと思われた。

身の守りとして暗器を数個持ち歩けば、人前で心法を使うのを避けることもできる。一石二鳥というわけだ。