第547章:再度の協力(3)

馬場絵里菜は豊田剛の言葉の意味を理解し、頷いて了解の意を示した。

ただし、この状況は彼女と白川昼が既に予想していたことで、双方にとって良い解決策も考え出していた。

「豊田おじさん、こういう方法はどうでしょうか。」

馬場絵里菜は豊田剛を見つめながら、自分の考えを直接述べた。「私たちは一時的な契約を結んで、残りの作業員を一時的に貸していただき、料金は通常通りの価格でお支払いします。」

「もしセンチュリーグループで必要が生じて、一部の作業員を呼び戻したい場合は、御社を優先して人員を返却します。その時は、引き上げる分ごとに精算を行い、一括ずつ清算する形でいかがでしょうか?」

豊田剛は馬場絵里菜の提案を聞いて少し戸惑った。

いつでも必要な人員を呼び戻せる?では遊園地の工事はどうなるのか?

「そうすると、あなたの工事の進捗に遅れが出るのではないですか?」豊田剛は問題点を指摘した。

馬場絵里菜は微笑んで説明を始めた。「私たちの会社もこの期間中、施工部門を拡充していく予定です。御社の人員が一部撤退した時には、新しく採用した作業員でその空きを埋めます。たとえ一時的な空白期間があっても、それほど長くはならないはずで、プロジェクトへの影響も最小限に抑えられると思います。」

なるほど!

豊田剛は思わず首を振って笑い、複雑な表情で馬場絵里菜を見つめた。

このような形での協力は今まで考えたこともなかった。一時的な契約、随時の人員削減、その都度の精算。

「これは君が自分で考えついたアイデアなのか?途中で何か変更が生じても心配ないのか?」

豊田剛は笑いながら尋ねた。この馬場絵里菜は、自分に対して何か特別な信頼を持っているようだった。

感動しつつも、豊田剛は好奇心を抑えきれなかった。

馬場絵里菜は軽く唇を曲げ、率直な表情で豊田剛を見つめながら言った。「豊田おじさん、東京の不動産業界で、もしあなたすら完全に信頼できないのなら、他の人はもっと信頼できないということになります。」

そう言いながら、馬場絵里菜は突然身を乗り出し、真剣な表情で続けた。「それに、豊田おじさんがおっしゃったように、東京の不動産業界でこの規模の会社は数えるほどしかありません。もし今回の協力が実現できなければ、私は馬場家に頼むしかないんです!」

「そんな状況は、望ましくないと思われませんか?」