第563章:誰が恋愛なんてするの?(+3更新)

馬場輝たちが去った後、井上雪絵はレストランの外の歩道に立ち、笑顔を絶やさずに馬場輝の後ろ姿が視界から消えるまで見つめ続けた。

波はそれを見ていて、この数日間必死に探していた小姐が喜んでいることに嬉しさを感じる一方で、いくつかの懸念も抱いていた。

考えた末、声をかけた。「お嬢様、裕人様がお嬢様の恋愛のことを知ったら、お怒りになるでしょう。」

井上雪絵はまだ14歳になったばかりで、この年齢はホルモンが活発な思春期とはいえ、恋愛というには明らかに早すぎた。

特に妹を非常に大切にしている裕人にとっては。

井上雪絵はその言葉を聞いて、顔が真っ赤になった。「波、変なこと言わないでください。誰が恋愛なんて…」

彼女は…ただ片思いをしているだけなのに。

それに、彼女は急いで告白するつもりもなかった。結局、輝とはまだ2回しか会っていないのだから、急いで相手を驚かせたくなかった。