第576話:私が可愛すぎるから?

翌日は、武道場の週一回の休みの日だった。

馬場絵里菜は月島涼と一緒に白川昼の住まいを訪れ、宮原重樹も約束通り来ていた。

リビングのソファーでは、みんながそれぞれ寄りかかったり横たわったりとくつろいでいて、目の前のテーブルには山本陽介が作った様々な精巧で美味しいケーキやスイーツが並んでいた。

白川昼は上等な赤ワインを開け、みんなにワインを注ぎながら馬場絵里菜に向かって言った。「門主、武道場での生活はどうですか?」

馬場絵里菜はソファーの隅で黒いクッションを抱きしめ、顎をクッションに乗せながら、目を少し上げて気軽な口調で答えた。「最初は少し慣れなかったけど、最近はもう大丈夫。徐々に良くなっていくと思う。」

「それに、私は体験でなんかじゃなくて、本当に必要だから行ってるの。」と馬場絵里菜は付け加えた。

宮原重樹は腕を組んで無表情でもう一方のソファーに寄りかかりながら、白川昼をちらりと見て、ゆっくりと口を開いた。「私たちの中で、そういう場所に行く必要があるのは、むしろお前じゃないのか?」

白川昼はワインを注ぐ動作を止め、宮原重樹を見つめて目を丸くした。「頭がおかしいんじゃないの?私のこの繊細な肌で、受付係にでもなれっていうの?」

「プッ……」

馬場絵里菜は思わず笑い声を漏らし、白川昼を見上げて首を振った。「やめておきなさい。たとえあなたが自分から行きたいと言っても、武道場はあなたを受け入れないわ。」

「なぜ?私が美しすぎるから?」白川昼は真面目な顔で魂の質問を投げかけた。

他の人:????

山本陽介は焼きたてのベリーパイをキッチンから持ってきたところで、先ほどの会話を耳にして言った。「ご主人様、年を取りすぎています。武道の基礎を学ぶ時期はとうに過ぎています。」

「私はまだ24歳だよ!」白川昼は納得いかない表情で抗議した。「24歳が年取ってるって?」

「普通、武道の基礎を学ぶのに最適な年齢は5歳から8歳。私でさえ今は遅いくらいなのに、あなたならなおさらよ。」と馬場絵里菜は白川昼に言った。

白川昼は気にしない様子で口を尖らせ、手に持っていたワインを注ぎ終えて馬場絵里菜に渡してから続けた。「どうせ私はそんな所で苦労する必要なんてないわ。お金ならたくさんあるんだから、千人くらい雇って、このマンションを囲んで私の安全を守らせればいい。」