第596章：美容

佐藤晴香と高橋蜜柑は即座に顔を赤らめました。二人とも普通のシルバーカード会員で、当然センチュリオンカード会員とは比べものになりませんでした。

センチュリオンカード会員になるには、去年どれだけの金額をここで使わなければならなかったのでしょうか？

二人は目を合わせ、先ほどまでの高慢な態度は一瞬にして消え、おとなしく座って順番を待ちました。

エステルームは広々として豪華で、個室の水療室、スチームルーム、浴室などがあり、さらに小さなラウンジもあって、美容施術を受けるお客様が食事を注文して食べられる場所となっており、レストランまで行く必要がありませんでした。

白川飛鳥は皆の料理を注文し、クラブの一般的なサービスについて説明してから退出しました。

環境が人に影響を与えるのかどうかわかりませんが、ここまでの道のり、細田登美子たち三人は本能的に気取った態度をとっていました。まるでこのような場所では優雅で品位のある振る舞いをしなければならないかのようでした。

白川飛鳥が去ると、彼女たちの胸の内にあった緊張が一気に解けました。

部外者がいなくなると、細田芝子は我慢できずに感嘆の声を上げました。「お姉さん、このクラブすごく高級ね。さっきまでの道のり、クラブ全体が静かで、音楽と水の音以外は人の話し声も聞こえなかったわ。」

「さっき白川部長が言ってたけど、レストランとエステルームはほぼ満席なのに、ここは防音がすごくいいから、エンターテイメントルームで歌を歌っても、廊下では全然聞こえないんですって。」伊藤春も感心して言いました。

これが水雲亭の完全なプライバシーです。すべてのドアに小窓がなく、防音性は一流で、まるでクラブ全体が自分一人のものであるかのような錯覚を覚えます。

「まあまあ...」細田芝子はまだ夢の中にいるような表情で言いました。「すごい、こんな素晴らしいクラブを、井上さんが絵里菜にあげちゃうなんて、この家はどれだけお金持ちなのかしら？」

細田登美子も何の表情をすればいいのかわかりませんでした。なぜなら、絵里菜が当時彼女に説明したところによると、このクラブは彼女が井上さんと賭けに勝って手に入れたものだったからです。

まるで冗談のように聞こえますが、事実はそうだったのです。