第597章:美容(2)

「本当ですか?」その美容師は思わず驚きの声を上げ、とても真剣な口調で言った。「この仕事を長年やってきましたが、肌の状態が良いお客様も多く見てきました。でも、それは普段からスキンケアが好きで、日焼け対策もしっかりされているからです。細田さんのように生まれつき肌の状態がこんなに良い方は、本当に初めて見ました。」

細田登美子はそれを聞いて、同意するように言った。「私も日焼け対策は気にしていますよ。これはスキンケアの基本ですからね!肌の状態を安定させたいなら、完全に無視するわけにはいきませんから、日常的な日焼け止めは必ず塗っています。」

紫外線が肌に与える影響は、美を追求する女性なら誰でも知っている。

傍らにいた伊藤春もこの時笑いながら冗談めかして言った。「登美子さん、初めてお会いした時から思っていたんですが、こんなに肌が綺麗だから、きっとコンシーラーやファンデーションを使っているんだろうなって。まさか、そういうものを全く使っていないなんて。」

「クマができたり、ニキビができたりした時は使うことがありますが、あまり使いません。そういうものを顔に塗るのは本当に苦手で、毛穴が詰まって呼吸できなくなるし、肌の状態も悪くなるばかりですから。」と細田登美子は答えた。

細田芝子は彼女たちの会話を聞いていて、まるで天書を聞いているようだった。

日焼け止め?コンシーラー?聞いたこともない!

そうだ、細田芝子は姉の細田登美子のような天性の美しさは持ち合わせておらず、化粧に関しても粉を付けたり、口紅を塗ったり、眉を描いたりする程度の初歩的なことしか知らなかった。

一方、細田登美子はパラダイスで十数年働いており、普段からパラダイスの他のホステスたちとこういった話題をよく話していたので、自然と知識も豊富になっていた。

美容師は彼女たちの肌質の違いや問題の多さに応じて、異なる種類のトリートメントを行った。

伊藤春は彼女たちの中で最年長で、目尻のシワが目立ち、次に肌色が不均一で、かなりの乾燥も見られた。美容師は彼女にしわ取り、肌再生、保湿の3つのトリートメントを選んだ。

一方、細田芝子の最大の問題は肌のくすみで、メラニン沈着がかなり深刻だったため、この初回は美白とメラニン除去に重点を置いた。