第598章:生まれ変わった細田芝子

「登美子、これはすごいわね。まるで別人みたいだわ」伊藤春は鏡を見ながら左右に顔を向け、感嘆の声を上げた。

細田登美子も伊藤春の美容後のわずかな変化に気づいた。彼女たちの年齢の女性は、多くの肌の問題がすでに不可逆的な状態になっているが、このような改善が見られるのは、確かに驚くべき喜ばしいことだった。

エステティシャンはその様子を見て説明を始めた。「今回は無痛の温熱シワ取りだけを行いました。これはシワ取りの入門レベルで、機器の効果も比較的控えめです。次回はサーマージュによるシワ取りをお試しいただけます。多少の痛みはありますが、効果はより顕著です。東京でも、サーマージュの第二世代機器を導入しているのは私たち水雲亭だけなんです」

「私の目尻のシワは、あなたの言うそのサーマージュで完全に消せるの?」伊藤春は尋ねた。

エステティシャンは頷いて答えた。「もちろんです。シワ取りは基本的な美容施術で、完全に除去できる方法がたくさんあります」

伊藤春はその言葉を聞いて、思わず喜びの表情を浮かべた。美を追求する心は誰にでもある。伊藤春も若い頃はとても美しかった。そうでなければ、あの目の高い細田仲男が彼女と結婚するはずがなかった。

しかし歳月は容赦なく過ぎ、二人の子供を産んだ後の伊藤春は、全体的な状態が急激に低下した。身体的にも、生理的にも、肌の状態も、まるで一気に十歳年を取ったように感じられた。

その後、肌の状態は見るに堪えないほど悪化し、彼女自身も徐々に諦めていった。もう挽回できる日が来るとは思ってもいなかった。

鏡の中の自分を見つめ、昨日よりもずっと良い状態になっているのを確認して、伊藤春は突然強い信念が湧いてきた。結婚という檻から逃れた今、自分自身のためにもっと良くなるよう努力すべきだと。

そしてそれは、美しくなることから始めるのだ!

一方、細田芝子の変化はさらに劇的だった。肌の色が全体的に二階調ほど白くなり、輝くほど明るくなった。これは、くすみと黒色素が除去された後の状態だった。

ただし、エステティシャンは細田芝子に注意も与えた。このような問題を減らすためには、日焼け対策が毎日欠かせない手順だと。そして、効果的な日焼け止め製品をたくさん詰め合わせてくれた。