第628章:私は沙耶香だけを担当する

夏目沙耶香の以前のチームは彼女自身がお金を払って雇った二人のアシスタントと、マネージャーの豊田拓海だけだった。

理屈の上では、新人である彼女にとってこの陣容は十分なはずだが、橋本通の目には明らかに不十分だった。

どう考えても、沙耶香は今や会社で最も重要なタレントなのだから、当然あらゆる面でトップクラスの待遇でなければならない。

夏目沙耶香は少し嬉しそうだった。撮影現場で専属のメイクアップアーティストやスタイリストがいるのは一線級や二線級の大スターだけで、彼女もそれを羨ましく思っていたが、会社が既に彼女のために手配してくれていたとは。

このような事に関して、沙耶香は謙虚になる気など全くなかった。彼女はずっとこれを望んでいたのだから。

喜びに満ちた表情で頷いて:「ありがとうございます、通さん!」