井上雪絵は変身した馬場絵里菜をじっと三秒間見つめ、やっと驚きの表情を浮かべ、大きな目をパチパチさせながら声を出した。「え...絵里菜お姉さん?」
朗星パーティーで馬場絵里菜に会ったことがあまりにも衝撃的だったのか、井上雪絵は馬場絵里菜だと分かっていたのに、口を開いた時は疑問形だった。
馬場絵里菜も嬉しい驚きを感じ、思わず井上雪絵を上から下まで見渡してから、穏やかな笑顔を見せながら言った。「ここで会えるなんて思わなかったわ。どう?体は完全に良くなった?」
あの時、井上雪絵は井上裕人に抱かれて気を失っていたので、馬場絵里菜は彼女が怪我をしていたかどうか分からなかった。
井上雪絵は興奮した様子で頷き、話し始めた瞬間に目に涙が溢れそうになった。小さな顔を上げて馬場絵里菜を見つめながら、詰まった声で言った。「ごめんなさい、絵里菜お姉さん。ずっと電話して『ありがとう』って言いたかったの。でも、私のせいであなたまで巻き込んでしまって、すごく申し訳なくて、本当にごめんなさい。」