第650章:井上様、インタビューさせていただけませんか!

外の赤絨毯の上、最後に到着したのは紺色のアストンマーティンで、今夜の入場車両の中で唯一のスポーツカーだった。

車がゆっくりと停止し、電動ドアが徐々に上方に開いていく。記者たちは首を伸ばし、期待に胸を膨らませながら、ゆっくりと伸びる長い脚に目を向けた。

靴墨で磨き上げられた丸い革靴、まっすぐに伸びた長い脚、黒の古典的なスリムフィットスーツに純白のシャツ。

他の人々のような正装とは異なり、スーツの前は大きく開かれ、シャツにはネクタイを合わせず、ボタンは胸元まで3つ開かれていた。引き締まった胸筋のラインが透けて見え、黒い模様のネックレスが首筋に這い上がり、白い鎖骨をより一層セクシーに際立たせていた。

他でもない、井上財閥を代表して朗星パーティーに出席する井上裕人だった。