馬場長生は突然我に返り、馬場依子の顔を見つめると、一瞬の戸惑いが残っていた。
最後に、馬場長生は尋ねた。「どの芸能事務所だ?」
馬場依子は馬場長生が急に態度を変えたのを聞いて、希望の光が差し込んできたように感じ、すぐさま答えた。「ローズエンターテインメントです!」
「ローズエンターテインメント?」馬場長生は一瞬戸惑い、この名前がどこかで聞いたことがあるような気がした。
よく考えてみると、ハッと思い出した。昨日の朗星パーティーで、ローズエンターテインメントの社長がステージに呼ばれてゲームに参加していたのを覚えていた。
その人の名前は覚えていないものの、重要なのは、このローズエンターテインメントが東海不動産と同様に、Mグループの子会社だということだった。
絵里菜はよく東海不動産の白という姓の総経理の側にいる。今はまだ二人の関係がどういうものなのかわからないが、潜在意識の中で、馬場長生はすでに東海不動産と自分の娘の絵里菜を結びつけていた。