第683章:あなたたち二人はどう考えているの?

細田芝子は頷いて言った。「そうね。自分のことは自分で決めなさい。リフォームが忙しすぎるなら、秋岡に見てもらえばいいわ。どうせ彼のバーはそんなに忙しくないから」

進藤峰はすぐに答えた。「問題ありません、お姉さん。何かあったら直接私に言ってください」

細田登美子は微笑んで軽く頷いた。

世田谷区の細田仲男の家でも、同じように朝食を食べていた。

細田家の両親が引っ越してきてから、家での三食が規則正しくなった。お年寄りは睡眠時間が短く、普段は朝の6時前には起きていて、仲男は毎朝出勤前に温かい朝食を食べられるようになった。

「お母さん、お金は繁夫婦に渡したけど、この何日かで何かするって言ってた?」仲男は卵の殻を剥きながら何気なく聞いた。

お婆さんは言った。「昨日夕から電話があってね、二人で世田谷区に店舗を借りて八百屋を開くつもりだって。うまくいくかどうかわからないけど」

「うまくいくかどうかは別として、まともな商売に聞こえるな。二人が真面目にやれば、稼ぎの多い少ないに関わらず、生活の改善になるだろう」とお爺さんも口を開いた。

仲男は頷いて言った。「お父さんの言う通りです。繁は今まで苦労したことがないから、外で仕事を探すのは無理でしょう。彼がやれるかどうかは一つの問題で、雇ってくれる人がいるかどうかはまた別の話です。本当に店を開けば、いずれは心を落ち着かせて、真面目にやるでしょう」

お婆さんは末っ子のことを考えると頭が痛くなり、深いため息をついた。「結婚して、夕も妊娠したんだから、繁も自分の子供のことを考えないといけないわ。もう以前のようじゃダメよ」

お爺さんは続けて言った。「とにかくお金は渡したんだ。五十万円もの金だ。店を開いても、元手は数万円あれば十分だろう。残りのお金は、もし彼に気持ちがあれば、子供のために残しておくべきだ。他のことは言わなくていい、これが最後だからな」

仲男は剥いた卵を細田梓時の茶碗に入れてから、また口を開いた。「お父さん、お母さん、言いにくいんですが、今回渡し過ぎじゃないですか?五十万円ですよ。私にとっても少ない金額じゃないです。養老のために残しておいた方がよかったんじゃないですか?」