主役でも三番手でも、出演できるのなら、それはチャンスです。
しかも、これだけ知名度の高い小説の映画化なら、興行収入は心配ないはずです。
最も重要なのは、映画デビューで三番手の役をもらえるなら、それはかなり良いスタートになるということです。
ご存知の通り、新田愛美も三番手からスタートしたのですから。
ココは笑顔で頷きました。「もちろんです。あなたのイメージに合う役があれば、会社はオーディションのチャンスを与えますよ。特に私たちの会社が投資する映画なら、当然、自社のタレントを優先します。」
そう言いながら、ココは机の上の契約書を馬場長生の前に押し出しました。「ドラマや映画のオーディションは最終的にタレント自身の努力次第ですが、会社は新人との契約に際して、他の安定した露出の機会も提供しています。依子のイメージを考慮して、当社と契約すれば、2本のCM撮影と、花季雑誌の表紙撮影の機会が直接得られます。」