第703章:馬場家(三)

父と息子は一人ずつお酒を注ぎ、飲み始めた。

食事が半分ほど進んだところで、橋本好美は突然箸を置き、真剣な表情で両親に言った。「お父さん、お母さん!あと数日で学校が始まるから、今日は長生と一緒に宝人を連れて帰ります。今後は週末に休みがあったら、また宝人と依子を連れてきて、あなたたちと過ごさせます。」

馬場宝人は新学期から第二中学校に入学して高校生になる。これまでは馬場お爺様の家に住んでいたが、それは主におじいちゃんとおばあちゃんが彼を一番可愛がっていて、彼も喜んでおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に過ごしていたからだ。また、馬場邸は彼の中学校からそれほど遠くなかった。

しかし第二中学校は違う。第二中学校は港区にあり、馬場邸からはとても遠い。だから今日、橋本好美は息子を連れて帰ることにした。進学の準備を早めにするためでもある。

この件については以前から両親と相談していた。老夫婦は孫と離れるのが辛かったが、道理をわきまえない人たちではなかった。

子供はやはり勉強を優先すべきだ。

お爺様はうなずいた。「いいよ、じゃあ宝人を連れて帰りなさい。今後休みになったら、宝人と依子をよく連れてくるといい。」

お婆さまは心の中では名残惜しく思いながらも、うなずいて同意した。「連れて帰りなさい!」

「お父さん、お母さん、もし家に子供がいた方がいいと思うなら、純一をここに連れてきたらどうですか。遠志とリリーは毎日仕事で忙しいし、どうせベビーシッターが面倒を見ているんだから、あなたたちのそばにいた方が安心です。」と馬場長生が言った。

馬場純一、愛称は純一、馬場長生の弟である馬場遠志の息子で、今年11歳、ちょうど中学に通っている。

お婆さまはうなずいた。「お父さんと私もそう思っていたのよ。ただ、純一はとてもやんちゃで、宝人のように思いやりがあるわけじゃないから、私とお父さんのこの老いた体が彼に振り回されないか心配なの。」

「純一はお爺さんのことをとても恐れているから、お母さんは心配しなくていいですよ。」と馬場長生は言った。

このとき、お爺様は突然馬場長生を見つめて真剣に言った。「ねえ……あなたと好美は、もう一人子供を作る予定はないのかい?」