第703章:馬場家(三)

父と息子は一人ずつお酒を注ぎ、飲み始めた。

食事が半分ほど進んだところで、橋本好美は突然箸を置き、真剣な表情で両親に言った。「お父さん、お母さん!あと数日で学校が始まるから、今日は長生と一緒に宝人を連れて帰ります。今後は週末に休みがあったら、また宝人と依子を連れてきて、あなたたちと過ごさせます。」

馬場宝人は新学期から第二中学校に入学して高校生になる。これまでは馬場お爺様の家に住んでいたが、それは主におじいちゃんとおばあちゃんが彼を一番可愛がっていて、彼も喜んでおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に過ごしていたからだ。また、馬場邸は彼の中学校からそれほど遠くなかった。

しかし第二中学校は違う。第二中学校は港区にあり、馬場邸からはとても遠い。だから今日、橋本好美は息子を連れて帰ることにした。進学の準備を早めにするためでもある。