ちょっと驚いて、細田梓時は思わず顔を上げて馬場絵里菜を見た。「何だよ?」
「飲みなよ。まさか顔を洗えって言ってるわけじゃないでしょ?」馬場絵里菜は笑いながら言った。「助けてあげたんだから、もう以前みたいに遠慮する必要ないでしょ?あなたも同じよ、普段どんな態度か私だって知ってるんだから」
細田梓時はそれを聞いて顔をしかめた。「僕がいつもあんな風に君に接してるのに、なんで助けてくれたの?」
「たまたま出くわしちゃったからでしょ?」馬場絵里菜はコーラを無理やり細田梓時に渡しながらため息をついた。「それに私たちがどれだけ仲良くなくても、あなたは私のいとこで、伯母さんの息子なんだから。他のことは知らないふりできても、伯母さんの顔は立てなきゃいけないし、目の前で息子が殴られてるのを見過ごすわけにはいかないでしょ」