第737章:おじさんが会計してあげる

特に細田仲男のカートには野菜や肉類が入っていて、これらのものは家の近くのスーパーで買うべきではないのだろうか?

しかし馬場絵里菜は細田仲男のことをあまり気にかけず、不思議に思いながらも口に出して聞くことはなかった。

一方、細田仲男は当然、馬場絵里菜のカートに山積みのお菓子を見て、思わず笑いながら言った。「どうしてこんなにたくさんのお菓子を買うの?」

「明日、学校で青森県に秋の遠足で数日行くの」馬場絵里菜はそっけなく答え、その口調には温かみがほとんど感じられなかった。

馬場絵里菜の目には、細田仲男が以前のように冷たい態度を取ってくれた方が、今のようなへつらった笑顔で接してくるよりもましだと思えた。

本心からなのかどうか、みんな心の中ではわかっている。彼が演じるのも疲れるし、自分が見るのも疲れる。