第760章:自責

その時、船室から他の学生たちが走り出てきた。菅野將がよく見ると、先頭は高遠晴で、その後ろには林駆、藤井空、月島涼が続いていた。

彼らに戻るよう声をかけようとしたが、数人が一斉に船尾へ走っていくのを見た。どうやら救助員が泳いで戻ってきたので、みんなが助けに行ったようだった。

菅野將はそれを見て言葉を飲み込み、話を変えた。「みんな気をつけて、端から離れていなさい」

数人の男子学生が力を合わせて、溺れた高橋桃をまず引き上げ、次に救助員を引き上げた。

船尾のスペースが狭かったため、馬場絵里菜と沙耶香は近づかなかった。

人々を引き上げると、高遠晴はすぐに高橋桃を横抱きにし、顔色を青くしながら彼女を抱えて急いで船室へ向かった。他の人たちもそれを見て慌てて後を追った。

船室に戻ると、高遠晴は高橋桃をすぐに床に平らに寝かせた。高橋桃は全身びしょ濡れで、顔色は青白く、口からは絶えず水が流れ出ていた。