第766章:キャンプ場

高遠晴は少し目を伏せて言った。「どういたしまして。」

元々は全員で山頂に向かって歩いていたのだが、他のクラスの中には既に中腹で方向を変え、専門のキャンプスタッフに連れられて各クラスの予定されたキャンプ地に向かったものもあった。

山頂は広いものの、500人以上の大集団が同時にテントを張ってキャンプするのは不可能だった。そのため、各クラスのキャンプ地は青葉山の上にあるとはいえ、具体的な場所は異なっていた。

1組は山頂に近づいた時、左側に向かって歩き始めた。

夏目沙耶香は歩きながら心配そうに言った。「蛇とかいないかな?」

馬場絵里菜はそれを聞いて、軽く笑った。「絶対いるでしょ、山にはだいたい蛇がいるものじゃない。」

特に現代では、自然環境がまだ比較的よく保護されており、地球の様々な資源は使い果たされる程度には至っていなかった。特に日本では、美しい山や水が至る所に見られ、鳥や獣も当然少なくなかった。

日本北部の自然保護区ではあらゆる生き物を見ることができるが、青葉山は自然保護区ではないので、トラやクマなどはいないだろうが、蛇は間違いなくいるはずだ。

馬場絵里菜がそう言うと、夏目沙耶香はすぐに怖がって腕をさすった。彼女は軟体動物が一番苦手だった。

スーパーに行った時に虫除けスプレーを買っていた。説明書には蛇や虫、ネズミ、アリにも効果があると書いてあったが、本当に効くかどうかは分からなかった。

すぐに、1組は非常に平らで見晴らしの良いキャンプ地に到着した。ここは他のアウトドア愛好家によって開発されたようで、一面の空き地には草木が見えず、山頂の森の中で非常に異質に見えた。

空き地の中央には数個の巨大な箱が置かれており、中にはテントと寝袋が入っているようだった。

菅野將もキャンプに関してはあまり専門的ではなかったので、専門家のスタッフが皆を組織することになった。

「みなさん、これからホテルの部屋割りと同じように、各部屋から一人ずつ私のところに来てテントと寝袋を受け取ってください。テントは説明書を見ながら自分たちで組み立ててください。分からないことがあれば私に聞いてください。」

夏目沙耶香はそれを聞いて馬場絵里菜に言った。「高橋桃から目を離さないでね、私がテントを取りに行くから。」