第767章:これはどういう状況?

パッケージの中には約10センチの長い釘が4本入っており、これらの釘でテントの四隅を地面に固定すれば、設営完了となる。

「馬場絵里菜さん、どうやってやったの?教えてよ!」

クラスメイトが不思議そうな表情で近づいてきて教えを請うと、馬場絵里菜はそれを見て自ら歩み寄って説明し始めた。すると他の生徒たちもすぐに周りに集まってきた。

たった一つの些細なことで、馬場絵里菜は知らず知らずのうちに再び皆の注目の的となっていた。

少し離れたところで馬場依子はこの光景を見ながら、心のバランスを徐々に崩していった。昨日のリレー競争から彼女はずっと目立っていて、キャンプに来ても皆が彼女の周りに集まっている。

馬場絵里菜の何がそんなにいいというのだろう?

馬場依子は内心で歯ぎしりし、一瞬表情の管理を忘れ、目つきも陰鬱になった。

「依子、わかった?もしわからなかったら、馬場絵里菜さんに聞きに行こうよ」と隣の吉田清水が突然声をかけた。

馬場依子はびっくりして我に返り、顔に笑みを取り戻すと、「もう少し見てみるわ。あなたが彼女に聞いてきてもいいわよ」と軽く言った。

自分が馬場絵里菜に頼むなんて?冗談じゃない。

そう言うと、説明書を手に取って研究しているふりをした。

吉田清水はそれを見ても特に気にせず、急いで人だかりの方へ馬場絵里菜を探しに行った。

「君たちのクラスの生徒は頭がいいね。初めてこの種のテントに触れる人がポイントを見つけるのは難しいものだけど、説明書は派手で複雑に見えるが、実際はとても簡単なんだ」と引率者が菅野將の側に来て笑いながら言った。

菅野將は誇らしげに笑って言った。「うちのクラスは優等クラスですからね。この子たちは皆、高校1年生の分班テストで学年の上位50位以内に入った賢い子たちですよ」

「なるほど」引率者も面子を立てて頷き、肯定した。

テント設営にはそれほど時間がかからなかった。これは生徒たちにとって初めてのテント泊であり、初めてのキャンプでもあったため、新鮮さを感じるのは当然だった。

「皆さん、こちらに集まってください」

この時、引率者が再び全員を呼び集めた。全員がその声を聞くと、手元のものを置いて一斉に駆け寄った。

近づいてみると、引率者の隣にはまだ開封されていない大きな箱が二つあることに気づいた。