第778章：一部の人のケーキを脅かした

白川昼は黒いスーツを着て、整った顔立ちは今や少し陰鬱に見え、機嫌が良くない様子だった。

普段は陽気な白川昼を見慣れている馬場絵里菜は、今の彼の表情に何となく胸が沈む思いがした。

白川昼は馬場絵里菜の向かいに座ると、ゆっくりと口を開いた。「プロジェクトで作業員が事故に遭った」

馬場絵里菜はその言葉を聞いて表情が凍りついた。作業員が事故？

馬場絵里菜が尋ねる前に、白川昼は自ら説明し始めた。「君が秋の遠足に出発した初日、ホテルプロジェクトの作業員が足場から足を滑らせて落ち、足を骨折した」

馬場絵里菜は表情を曇らせ、眉間にしわを寄せた。「深刻なの？」

白川昼は首を振った。「宮原重樹がいるから、こういったことは深刻とは言えない」

馬場絵里菜はそれを聞いて、白川昼にはまだ言いたいことがあるのだと察した。そうでなければ、彼はこんな口調や表情をしないはずだ。