第787章：用済みになったら切り捨てる？

二分後、細田志は突然目を覚ました。しかし病室には誰もいなかった。

彼は眠っていたのか？

頭の中は真っ白で、何も思い出せなかった。

妻がドアを開けて入ってきた。細田志と同じように何事もなかったかのように、ただ「起きた？お腹すいてない？下に行って何か食べ物買ってくるわ」と言った。

……

病院を出て、新田愛美は思わず白川昼に尋ねた。「怪我人は三人いたんじゃないの？残りの二人を見に行かなくていいの？」

白川昼は首を振った。「一人で十分だ。この事件は明らかに一人の仕業だからな」

新田愛美は理解したように頷いたが、得意げに功を誇る前に、白川昼の静かな声が聞こえてきた。「午後の飛行機のチケットを予約しておいたよ。今回は本当にお疲れ様」

新田愛美はその言葉に一瞬固まり、そして手を上げて白川昼の腕を軽く叩いた。「どういうつもり？役目が終わったら用済みってこと？そんなひどいことないでしょ？」

彼女はわざわざ休暇を取って手伝いに来たのだから、少なくとも門主と一緒に食事くらいしてから帰るべきではないか？

「あ、あ、あ、あなたチケット取り消しなさいよ！」新田愛美は焦って、吃り始めた。

白川昼は笑いながら腕をさすり、口を開いた。「君が急いで帰りたいと思っていると思ったんだ。だって大スターは忙しいだろうし、僕は気遣っただけさ」

「そんな気遣いはいらないわ。本当に気遣うなら、今夜は門主を誘って一緒に食事でもしましょうよ。私はまだ門主と食事したことないのよ」新田愛美は口を尖らせ、甘えるような口調で言った。

「わかった、急いでないなら帰らなくていい。ちょうど今夜、今日のことをボスに報告しよう」白川昼はそう言いながら、新田愛美に注意を促した。「マスクをつけて、すぐに誰かに認識されないように気をつけて」

新田愛美はその言葉を聞いて、急いでマスクを取り出してつけた。

……

東京ウィングニュース速報。

編集部。

社員証を付けた痩せた女性が慌てて編集長室に駆け込み、オフィスでコーヒーを飲んでいた男性を驚かせた。

「幽霊に追われてるのか？ノックくらいしろよ」編集長は怒って目を見開き、厳しい口調で言った。

しかしその女性社員は聞こえていないかのように、直接編集長の前に駆け寄り、「細田編集長、東京商業新聞と都市朝日新聞が今日突然報道免許を取り消されたんです！」と言った。